ふらっと四国茶旅歴史旅2022(7)西条の高知神社と旧石鎚村で

7月10日(日)西条を歩く

翌朝は朝食をたくさん食べてから、散歩に出た。西条市の事情を知りたいと図書館へ行ったが、何と9時過ぎにはまだ開いていなかった。その裏から小川が流れ、いい風が吹いていたので、それに沿って歩くと郷土資料館、工芸館へ辿り着いた。五百亀記念館は何と読むのか。その横は西条高校、学校の入り口は大手門が使われている。

西条市は水の町、『うちぬき』と書かれた自噴井(地下水)がいくつも湧き出している。この水は石鎚山系に発し、加茂川を通じてやってくるらしい。名水百選などもある。水が美味しいから食べ物が美味しく、移住者に好まれる街であるという。駅まで戻ると四国鉄道文化館があり、その前に十河信二の像がある。戦前は満鉄理事、戦後すぐは西条市長、そして新幹線の父になった人である。

昼にAさんが助手の女性とやってきた。まずはランチを食べようということになり、お蕎麦屋さんに行ったが、満員札止め。2軒目に向かう途中、うなぎ屋があり、そこへ入る。メニューを見るとドジョウ鍋があるではないか。私はうなぎを捨て、ドジョウに走った。柳川鍋で絶品だった。ドジョウ、何年ぶりに食べたろうか。

午後は石鎚黒茶に関連するところへ行こうと思い、まずは土佐との関係を知るべく、西之川に高知八幡神社を訪ねる。ここはかなり急な階段を登らなければならず、また折角辿り着いても神社の由緒書きなどが見られず、何もわからなかった。ただ西条市に高知と名の付く神社があるということ自体、自ずと高知との繋がりを示していると勝手に思う。

実は八幡神社と反対方面、東之川に『高知神社』があることが分かり、そちらに回ってみる。かなり山の方へ向かい、石鎚村の近くにあった。こちらは何となく霊気が漲り、すごく雰囲気のある神社だった。しかもその周辺の道沿いには山茶と思われる茶樹が沢山見受けられ、中には茶葉がアッサム並みに大きいものまであって、仰天してしまった。その近隣の村もちょっと風景が原始的で神秘的。ここはある種の原風景ではないかと思ってしまった。恐らく私が知りたい高知と愛媛の繋がる場所だが、詳細は不明である。

ここで本日の活動は終了し、ホテルまで送ってもらった。夜はホテル内のコインランドリーが無料だったので洗濯する。利用者が多くてなかなか洗濯は進まない。ロビーには東南アジア系の若者が沢山チェックインしている。何の仕事だろうか?参議院議員選挙速報を見たが、自民党圧勝で何ともつまらない。アイドル高見知佳は落選。年齢は私の一つ下だった。

7月11日(月)旧石鎚村へ

翌日は高知へ向かう前、折角なので旧石鎚村へ行ってみた。西条市内から20㎞ほどで旧石鎚村の山道へ。意外とちゃんと整備されている道だった。土井というところまで来て車を降り、少し山に入ると道の両脇が茶の木で埋まっていた。自然に種が落ちて増えたのだろうが、誰かが世話をしていなければ、このようにきれいには生えていかない。険しい山道と聞いていたが、見た感じはそれほどでもない。

入口のところに、祠があった。偶然人が出てきたので話し掛けると、あのレジェンド曽我部さんと同じ村出身、曽我部さんの息子さんと同級生だというSさんだった。そしてSさんが子供の頃に住んでいた場所は中村といい、ここから歩いて登って30分はかかるらしい。因みに曽我部家はそこから更に10分上と言われて驚く。中村には以前6軒が住んでいたといい、中学の頃まで樽漬けの黒茶作りを実際にしていたともいう。茶摘みを実演して見せてくれたが、その速さにはAさんたちも舌を巻いていた。Sさんの手に歴史を見た思いだ。

実は本日は祭り。石鎚山の祭礼(石鎚神社夏季大祭)は、古くより「お山市」、「お山開き」と呼ばれ、7月1日から7月10日に斎行、そして本日11日午後12時30分、本社へ御還宮して、夏季大祭は終了するという。まさにその最後の場面に偶然にも遭遇したので、神社までついていく。

そろいの法被を着ている参加者はほぼ男性。神主と山伏とが談笑しながら出てきた。この辺りの関係性は極めて興味深い。我々が見ていた横の家では桑の葉を干していた。お茶が捧げられる習慣があると聞いたが、今は桑の葉が納められているのだろうか。いずれにしても詳細は分からないながら、何とも神秘的、そして茶との繋がりも感じさせられる重要な祭礼に立ち会ったのは幸運だった。

これで西条での活動を終了して、車で高知県大豊町に向かう。予想外に午前中の時間を使ったので、慌ててサービスエリアで昼ごはんを食べる。真鯛の漬け丼、生卵掛け。山の中では意外な食べ物だったが、美味しく頂く。昔は生の魚など食べられなかったのだろうに。西条から大豊までは、案外と近い。これも関連性があるだろうか。

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