インドムナールお茶散歩2014(5)ムナール 州が経営するリゾートホテル

リゾートホテル

コーチンから車で4時間、ついにムナールという街に着いた。この山間部、茶畑が少し見えていた。ここを拠点に動くらしい。ラトールさんから事前に言われていたホテルへ行くと、丘の斜面に建つ、古めかしいが何とも立派なリゾートホテル。

WIFIはロビーでしか使えないということで、まずはPCを開いていると、ウエルカムドリンクとして紅茶がやってきた。高級ホテルだ。敷地は相当に広く、部屋へは庭を歩いて行く。庭はよく手入れされており、花が咲いていた。いくつかの建物に分かれており、その1つの2階に入った。部屋は広く、清潔感がある。ベランダからは周囲が見渡せる。気持ち良いリゾートだった。

直ぐに山は夕暮れを迎え、急に暗くなった。このホテルには朝食は勿論、夕飯も付いていた。どんなものかと食堂へ行ってみると、本格的なビュッフェだった。スープはコーンスープ、チャパティを取り、インド風のおかずを取ると、その先には鶏肉や魚が置かれている。一応外国人を意識した料理もあるようだ。

お客さんはインド人もいるが、欧米人の家族連れが何組もいる。ちょうど夏休みシーズンだということで、インド在住の外国人がやって来ている。デザートのアイスが美味しく、コーヒーと共に頂いていると、ここがどこだか分からなくなる。

ラトールさんと日本企業のインド進出話をした。彼としては是非とも日本企業にインドに来て欲しい、と考えているのだが、事はそう簡単には運ばない、日本人はインドのことを殆ど理解していないし、理解しようとしても、宗教、カーズト、政治、農村など問題が多く、1₋2年では何も分からない。分からない人が駐在員をやっていても、事業は進まないし、ましてやインドが嫌い、早く帰国したいと思っている駐在員の仕事がうまくいくとは思えない。ここ10年間、日本企業の将来有望な進出先で中国に次いで常に2位だったインド。だが実際の進出が進まない理由はここにあると思われる。

4月23日(水) 朝食

朝は6時半に目覚める。外は既に明るく、鳥のさえずりが聞こえていた。バルコニーに出ると涼しくてさわやかな朝に出会った。思わず伸びをして、向こうの山を眺める。ラトールさんは紅茶を淹れるために湯を沸かしている。これがインド式だな、と思う。我々なら朝食に出かけてお茶を飲むが、インドでは起きたらまずはお茶。その後食事の順番になる。

朝から日本経済について話した。日本語を教えるラトールさんとしては、何とか日本が良くなり、日本語を学ぶ生徒が増えることを望んでいる。だが現実はマハラシュトラ州の高校生1.7百万人中、日本語を勉強しているのは僅かに200人。企業の就職口が増えれば勉強する人も増える筈と、日本の政府関係者などに働きかけているが、その反応は鈍いという。

朝食のビュッフェ、インド式のものが多い。私はトーストを取ったが、おかずになるものがない。横を見るとオムレツを食べている人がいた。ここインドでは、ビュッフェと言っても、ウエーターに注文すれば、卵ぐらいは出て来る。でも日本人から見れば『あるならあると書いてくれ』と言いたくなる。

見るとウエーターの数がやたらに多い。ビュッフェなのになぜと思っていると、ジュースからデザートまで自分で取りに行かず注文している人が時々いる。ある意味でここはビュッフェではなく自分で取りに行くことも出来る場所、という位置づけらしい。経営効率から言うと非常に悪い。これなら初めからアラカルトにすればよい、その方が価値も上がると思うのだが、それは調理場の問題だろうか。

このホテルはケララ州政府が経営しているらしい。一等地にある由緒正しいホテルで雰囲気も抜群だが、サービスという点では民営化が望ましいように思う。州の雇用問題もあり、このように人を沢山雇っているようだが、それではサービスは向上しない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です