東北、北海道を行く2021(1)八戸 根城、是川縄文館を歩く

《東北、北海道を行く2021》  2021年11月13-22日

10月の大遠征で味をしめてしまい、1か月に1度は旅行に出ようと考えた。今月は久しぶりに北海道へ行くことにしていたが、単に飛行機で行くのはもったいないので、普段はいけない(茶畑ないし)下北半島から船で函館に渡るという絶妙な計画を立ててみた。果たしてどんなことになるのだろうか。

11月13日(土)八戸へ

東北は私にとって鬼門なのだ。失意の18歳の思い出が強烈過ぎて、その後ほとんど足を向けたことがない。唯一一度だけ25年ほど前に『みちのく一人旅』を敢行するも、やはり困難の連続だった記憶しかない。今日は大宮から新幹線で八戸まで行くのだが、25年前は東北新幹線の電気系統の故障で、東京から盛岡まで7時間かかったという苦い思い出の再現がないことを願うばかりだ。

そして今回の新しい試み。駅ネットで新幹線を予約して、チケットレスで乗車することにした。これだと割引が得られる場合もあると、ようやく気が付いた。やはり国内旅に慣れておらず、しかもちゃんと検索などもしないと損をする。それが日本だ。ただ新幹線を予約していて、何かの不具合で改札が通れなかったら、全ての日程に影響が出るので、今回は相当余裕のあるものにしておいた。

大宮駅で無事に改札を通過し、新幹線に乗り込んだ。今日は週末ではあるが、さすがに車内は空いていた。私の席は二人掛けの通路側で、窓側に女性がいたので、反対側の3つとも空いている座席に移ろうと思い、念のため車掌に、『こちらに移ります』と告げると、彼は『指定席は現在絶賛発売中ですので』と、暗に予約した席に座るように宣う。

仙台を過ぎて更に乗客も減ったので、もういいかと思い、席を移動した。指定席とは何とも面倒だな。それにしてもネットで座席が指定出来るのなら、乗車後の席の変更にもネットで対応してほしいものだ。まあ日本では無理だろうな。それでも天気が良いから救われる。外をボーっと見ていると、盛岡も過ぎて、八戸に着いた。

今日の宿は駅に直結しているので、すぐにフロントに荷物を預けた。その下の階には観光案内所もあるという便利さ。ちょうど是川遺跡が世界遺産に登録されたらしく、そのプロモーションを行っていたが、私がいくつかをバスで回りたいと告げると、要領を得ない回答で困った。実はこれはよくあることで、係員は自動車通勤でバスなど乗らない人が多く、バス路線などにも不慣れなのだ。せっかく案内するのなら、ちゃんと研修しておいてほしい。

根城から縄文館まで

とにかく面倒なので、バスを使わず歩き出す。駅付近に食堂などでもあればランチでもと思ったが、ほぼ何もない。八戸駅は市の中心からかなり離れていたのだ。30分以上歩いて、最初の目的地、根城に着いた。ここは南部藩の城、『根城にする』などの用語はここから生まれたと聞いている。

かなり広い外周を間違って一周してから入口に辿り着く。何だか広々とした公園のようにも見える。入場料を払って中へ入ろうとすると、今日は無料だという。前の老人だけかと思っていたが、とても得した気分となる。再現された屋敷、その中の展示を見ていると、南北朝の時代、北畠顕家の指示で南部氏が城を作ったらしい。そして1592年、秀吉の天下が定まった後、蒲生氏郷の奥州再仕置きにより、この城も破却となったと書かれている。

実に天気が良く、秋の雲が高い。そして木々も色づいており、日本の晩秋を感じる風景がここにあった。気分がすごく良いのでそのまま歩き続けることにした。根城から直ぐのところに、八戸市博物館があった。館の前には南部師行の像がある。ここ八戸には、江戸時代中期の思想家、安藤昌益が町医者をしていたとある。八戸は歴史的に見て、意外に面白い場所ではないかと思い始める。

そこから約1時間トボトボと歩いて、是川縄文館に到着した。何と先ほどの博物館で無料招待券をもらい、タダで見学する。さすがに土曜日で家族連れなども見に来ており、多少は人がいる、という感じであった。館内には様々な土偶が展示されており、実に興味深い。昔興味を持った遮光器土偶、青森博物館で見たことがあるが、ここにもあるんだ。そして国宝の合掌土偶も、一人で独占してずっと眺めていられた。

さすがに疲れたので、バスで戻ることにした。直接駅まで行くバスがあるので、それを待っているともう一台、市内中心街へ行くバスが来たので、何も考えずにそれに乗ってしまった。中心街をフラフラしようかと思ったが、バスの接続が悪く、降りたらすぐに駅行バスに乗り換えたので、中心街はバスの窓から見ただけだったが、確かに駅の周辺よりは賑やかだった。

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