ある日のバンコック日記2020(20)ビックリな再会

午後は大相撲大阪場所が始まった。何と観客を入れないで開催される異例中の異例な相撲だった。こうなると力士の息遣いやぶつかる音がはっきり聞こえて新鮮だ。更には行事や呼び出しの声もよく聞こえ、動きもよく見えるので、これまで気が付かなかったことがいくつも見えてくる。そして何より、観客の声援で相撲を取っていた力士、というものが結構いると感じられたのがすごい。これを従来は稽古場では強いが、などと言っていたが、声援効果はある力士にとっては、馬鹿にならないことを知る。

それにしても、力士が一人でも感染したら、場所はそこで終了という厳しい条件が付いている。もし途中で場所が打ち切られたら、優勝はどうなる?記録はどうなる?そこまでしてもやらなければならない本当に理由は何だろうか。相撲はオリンピックとも関連はないだろうに。相撲は神事なのだろうか。プロ野球もJリーグもすでに延期になっている今、なぜ開催するのか、各競技団体の利害関係が問われそうだ。

3月10日(火)日本人のタイ入国も制限

今朝ビックリするような話を聞いた。バンコックから香港に出張に行っていた人が、香港空港でタイ航空に乗ろうとして、搭乗を拒否されたというのだ。タイ政府は既に中国などからの入国者に対して、コロナ陰性証明書の提示を求めているが、そこには香港も含まれるというのだ。日本人かどうかは問題ではなく(日本から来る便では要求されない)、搭乗地の問題なのだ。

この人は日本に戻るなどの選択肢を色々と検討した結果、どうしてもバンコックに戻るため、何と香港の病院に手を回し、PCR検査を受け、その証明を入手したというからすごい。だが、再度搭乗手続きをしに空港へ行くと、今度は『10万米ドル以上の海外保険』の提示を要請されたらしい。クレジットカードの保険に入っていると主張しても、目に見える形を求められたが、振り切って飛行機に乗り込んだ。

そして今度はバンコックの空港でその保険の提示を再度求められ、それがなければ、乗ってきた飛行機で帰れ、と言われたらしい。結局夜の空港でネットを駆使して、オーストラリアの海外保険を探し当て、何とか入手して、無事のご帰還となったというのだ。これはもうただ事ではない。日本ではPCR検査を受けることもできないし、ましてやその証明を英語で出してもらうには気が遠くなりそうだ。私も身の振り方を真剣に考える必要を強く感じた。

ビックリな再会

午後相撲を見た後、出掛けた。前回髪の毛を切ったのが、ちょうど2か月前。ただ最近は濃厚接触に該当する床屋へ行くのが良いのかどうか、また床屋側も言葉が通じない相手に来てほしいのかどうかが分からず、躊躇していたのだ。それでも髪の毛は確実に伸びて行き、限界となったので、一番早く処理できるいつもの10分床屋へ駆け込んだ。

床屋はやはり空いていた。店員もお客が少なくて困っているのだろう。いやそうな表情は見せず(マスクで見えない部分はあったが)、いつもより親切丁寧な対応だった。やはり髪を切るとさっぱりしてよい。ちょっとターミナル21のお客具合を見に、上にも行ってみる。意外とお客がいたので、すぐにMRTに乗って引き返そうとしたが、BTS駅との交差で乗客がかなりいた。

MRTからBTSへ向かうエスカレーターはなぜか2本とも登りになっており、下る人は階段を使うしかない。階段を降りても人が多かったので、それを避けてバスで帰ろうかと、アソークの交差点で信号待ちをした。すると後ろから突然名前を呼ばれた。振り返ったが、そこに立っていた女性が一瞬誰だか分からなかった。

何とその人は5年ぶりに会うSさんだった。彼女と最初に会ったのはカザフスタンのアルマティ、2回目が5年前のカンボジア、シアヌークビル。今回が3回目だが、異常に印象に残る人だったが、まさかバンコックにいるとは思わなかった。聞けば、まだシアヌークビルにおり、たまたまバンコックに来ていただけというからあまにもすごい、偶然だった。日本人だが、日本ではきっと会わないタイプの人なのだ。

近況などを立ち話していたが、とても収まらないので、カフェに行って、話を続けた。彼女の人生はその滞在国や都市を見ても、普通ではなく、何とも劇的だ。5年前に訪れたシアヌークビルも、あれから中国資本が投入され、かなり変化してしまったらしい。今やバンコックとの間に直行便も飛んでいるという。コロナ終了後、機会があれば、シアヌークビルをもう一度訪れてみたい。

話は尽きなかったが、予定もあったので、1時間半ほど話して分かれた。次はいつどこで会えるのだろうか。また楽しみが増えた。因みのこのカフェでは、お客が帰るたびに消毒を行っており、その匂いが飛んで来て長居は厳しかった。既にバンコックは臨戦態勢に入っている感じがしたが、日本は相変わらず、ゆったりと構えている。

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