マレーシア老舗茶荘探訪 その後2019(3)鬼門マラッカの老舗茶荘

9月4日(水)
久しぶりにマラッカへ

翌朝も昨晩のパンをかじっていた。今日は実質マレーシア最終日、いやこの2か月に及ぶ東南アジア旅の締めくくりの日と言ってもよい。目指すはあの鬼門、マラッカである。6年前、私がその前後も含めてただ一度だけ窃盗被害に遭った場所であり、そのショックはずっと引きずっていた。

 

マラッカ行きの高速バスに乗るにはKLセントラルから列車に乗り、TBSを目指さなければならない。ここに行くのは何と3本の列車が走っているようで、私は一番安いのを選んだ。乗っている間に、6年前も同じ道を辿ったことが蘇ってくる。列車を降りてもかなり歩かないとTBSには着かなかった。

 

このターミナルにはバス会社がいくつも入っているのだが、切符売り場は統一されており、一番早いバスの切符が買えるのがよい。ただ料金はバス会社により若干違う。それは車体によるのかもしれない。バスは頻繁に出ているので、すぐに乗り込み、すぐに出発する。料金も15リンギ以内だから安い。

 

バスはスイスイと走り、高速道路を経て約2時間で、マラッカ郊外のバスターミナルに着く。ここからバスに乗れば市内に行けるのは分かっている。何しろこのバスの車内でスリにあってしまったのだから忘れられない。だが乗り場が分からずまごまごしているうちにバスは行ってしまい、かなり長い時間待たされた。日本人女性の姿も何人かあり、皆バスを待っていた。マレーシアのバスは安いがタクシーは比較的高いのだ。

 

ようやくバスに乗り込むと2リンギだった。それから30分ほど乗って、市内中心部で降りた。ここは観光客が一番多い場所だ。ここから住所は分からないがチャイナタウンにあると思われる茶荘を探しに行く。真ん中付近から数本北に行くと、ほぼ外れかと思われる道が広い。そこに目指す高銘發を無事発見した。

 

入って声を掛けるとオーナーの高さんが親切に話をしてくれた。ここも1930年頃、シンガポールの支店としてできた店舗で、そのうちにオーナーがこちらに移住して、シンガポールの店はなくなり、今はこちらだけが残っていた。マラッカでは唯一の中国茶を扱う茶荘らしい。

 

マラッカは華人も多いので常連さんがおり、今も中国茶中心に小売している。店舗もかなり趣があり、レトロな雰囲気のマラッカにもマッチしている。だが後継者はいないので、いつまで続けられるかは分からない、と寂しそうに言われてしまい、こちらも寂しくなってきた。

 

これで今回探そうと思っていた老舗茶荘、全てに当たりがついた(すでに無くなっているものもほぼ確認できた)。これは意外とすごいことではないかと自分を褒めてしまった。一応の達成感があると、やはり腹が減る。チャイナタウンをフラフラと歩いているうちに、海南チキンライスを見つける。

 

マラッカの特徴はライスがボールになっていることだ。これは6年前にも味わっているので、特に目新しくはない。もうすることもないので、先ほど降りた場所でバスを待つがバスは一向にやってこない。花をつけたリキシャーに中国人観光客が乗り込んでいるのをずっと見ているだけだった。

 

40分以上待ってついにバスが来た。だがこのバスは循環ルートなので、街をぐるぐる回って、なかなかバスターミナルにはいかない。物凄く時間をロスした思いだ。KL行バスは15分も待てばさっと乗れるだけに、この差はあまりにもデカイ。帰りも目をつぶっているとTBSに着いてしまった。

 

また同じルートで帰ろうとしたが、なぜか私の交通カードはゲートに反応しない。いや私だけではなく、誰もゲートが通れない。何と停電だった。仕方なく、もう一つの路線に乗る。交通カードはチャージしていなかったので、現金で切符を買う。途中でモノレールに乗り換え、KLセントラルの一駅前で降りたが、ゲートが開かない。係員を呼んで聞くと、あと1リンギ払えと言う。

 

おかしいだろうと抗議すると、元々あなたはKLセントラルへ行くのだから、というからまたモノレールでKLセントラルまで行ってみてが、やはり出ることは出来なかった。今度は少し頭に来て係員に聞くと『別路線の切符を買っているから出られない』というではないか。地下鉄からモノレールに乗り換えると料金体系が別だと初めて知るが、それなら乗り換えの所でチェック掛けろよ、と言いたくなる。

 

最後の晩はそんな感じでちょっとイライラ。そろそろ日本モードかな。夕飯は焼きそばと肉団子スープにしたが、これが当たりで気分がよくなる。結局宿も最後まで同じ部屋で、窓がなく、ぐっすり眠れた。

 

9月5日(木)
2か月ぶりに日本へ

翌朝はついに日本に戻る日だった。朝はカヤトーストを食べて支度を整える。空港までのバスにも慣れており、エアアジアのチェックインももう問題はなかった。すっかりホームグランド化している。空港もきれいで居心地は良いので、ゆっくりとネットでもやりながら休む。

 

エアアジアは羽田行きなので便利だった。荷物を預けると一応セットで機内食も出てくる。それを食べるとあとはひたすら寝るだけ。ただ前回、確かフライトが遅れて、終電を逃して、深夜バスで辛うじて家に辿り着いたのを思い出す。今回はそれもなく、楽しいマレーシアの思い出のまま、家に帰り着いた。

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