スリランカ お坊さんと行く紅茶畑の旅2012(4)ヌワラエリア 英国植民地時代の街

ホテルを探して

ヌワラエリヤでのホテルを探す。最初のホテルは街からかなり離れた一面茶畑のいい雰囲気の場所。ホテルとしては決して良いとは言えないし、Wifiもないとのことだが、ここに泊まれ、とスマが言えば泊まってみようと思うホテル。

2軒目はかなり街に近づいた立派なホテル。きれいな外装。ただ朝夕食込ではあるが70ドルは高いと判断され、見送り。3軒目は街中直ぐに競馬場の前。だがここもよくないとのことで、そのホテルの人に連れられて、競馬場の反対側の路地へ。きれいな外装のゲストハウスがあったが、街から遠い、という理由で却下。

そして再度競馬場前に戻り、数軒あるホテルからスマが一軒を選び中へ。とても品の良いお婆さんが出て来てここに決まる。スマは知り合いの寺に泊まると言って去る。部屋は奥の建物の3階。雰囲気は悪くない。

英国時代のホテルと競馬場

実はホテルを探す途中、街中にあるイギリス時代からある建物をいくつか見た。総督の屋敷は郵便局になっていた。他にも警察署など役所に使われているケースが多い。

そんな中でも一際目を惹くのがグランドホテル。1892年の開業というから古い。前庭が広く、きれいな芝と花に囲まれ、優雅な気分になれる。裏庭までよく整備されている。建物の中は典型的な英国風ホテル。1泊200ドルはするらしい。偶には泊まってみたいが、早々に退散。

ホテルの横にはゴルフ場もあり、植民地時代のイギリス人がここに泊まり、そのままホテルからコースへ出る姿が目に浮かぶ。今でも客は欧米人ばかりに見えた。ゴルフコースはフラットだが、バンカーなどが配され、意外と難しいのではと推察。

そしてホテルの直ぐ近くには競馬場。イギリス人の植民地政策の典型的な作り。全てが揃っている。今でも年に1回、競馬が行われるとかで、厩舎もあり、馬もいる。だが日頃は庶民のサッカーグランドなどになっている。

この競馬場の周辺にはホテルが多い。今でも1-4月のハイシーズンには欧米人、スリランカ人がこの地に押し寄せ、競馬などを楽しむらしい。ホテル料金も値上がりし、予約も取れないとのことだ。

雨の夜 元気な女性と会話する

ヌワラエリヤの街を散策しようと支度していると急に物凄い雨が降り出す。スコールと呼んでよい雨だが、いつになっても止まない。仕方なくWifiがあると聞いたので、ネットを繋ごうとしたが、失敗。ロビーで理由を聞こうとした矢先、突然欧米人女性が凄い勢いでやって来て、スタッフにまくし立てている。聞いてみると私と同じ理由でネットが繋がらずに困っており、その理由を説明していたが、スタッフが理解できなかったらしい。確かに最近普及し始めたWifi、田舎では繋がらないことも多いだろうし、そのシステム自体が理解できないだろう。

結局スタッフはプロバイダーに電話、その電話を彼女に渡し、彼女が英語でまたまくしたてる。だが、やはり繋がらない。雨のせいだ、ということで終わる。彼女も諦めて部屋へ戻る。それから3時間、雨は止まなかった。Wifiは繋がらなかったが、ホテル専用のPCでメールチェックだけは出来た。更にFacebookへ入ると、不正アクセスの恐れありとばかり、行き成り知り合いの顔が5人も出て来て、誰だか当てろ、という。これには驚いたが、それほどに不正アクセスが多いのだろう。最近はアポの申し込みなどをFacebookでして来る人がいて困る。このようにネットが繋がり難いと回答も出来ないし、中国では通じない。

仕方なくホテルで夕食を頼む。中華料理もできると書いてあったのでチャーハンでも注文しようかと思うと、スタッフが「カレー付きが良い」と勧める。彼は韓国のインチョンにある大宇で6年、IT関連で働いた経験があるという。スリランカの中華は本場とは違うと知っていて、助言したようだ。従う。

だがこのチキンカレーのチキンは冷たかった。チャーハンはやはり中国とは違った。何だか一人で食べていると空しくなった。そこへあの女性が入って来てビールを飲み始める。聞けば何とポーランド人。スイスのチューリヒで働いているとか。毎年2回ほど、1回1-2週間、一人で各地を回っている。今回も一人で来て車と運転手を一週間チャーターしているとか。

コロンボではネットアクセスは問題なかったという。茶畑はケニアがお勧めという。彼氏とスカイプしたいが、ネット状況が悪く、プライバシーも保てないとまくし立てる。何とも元気な女性だ。雨の日はこんな女性との会話も悪くない。

11月10日(土)  朝飯

昨日の雨が嘘のように晴れていた。そして昨晩遅くまで聞こえたテレビの音に代わり、向かいのホテルから大音響が聞こえる。ベランダから見ると、数人の若者が大声で騒ぎながら車を洗い、大音響の音楽を流す。仕方がないとは思いながら、「なぜこんな静かな環境で、音を出すのだろう」と。いや、静かすぎて落ち着かないのだろう。

ホテルの料金に朝食が含まれていないのを確認して、これ幸いと街へ出る。朝8時前の競馬場前の道路、車も多く煩い。昨日行ったグランドホテルへ回り、ゴルフ場の横を歩くと、かなり静かな環境となる。

街中の小さなレストランでチャパティのようなものを作っていた。釣られるように入る。ローティという小さくて丸いパンを頼むと黙って4つ出て来た。そしてカレーとスパイスの効いた物が出て来て、これを付けて食べろという。意外に美味しいのだが、ローティは少し塩辛い。

ティーを頼むと何も聞かずに甘い甘いミルクティが出て来た。これはインドのチャイだ。店の人もそうだというから、同じ物だと思う。全部で僅か120ルピー。昨晩の何分の一かで、満足できる朝食が取れた。帰り掛けに乗馬クラブのメンバー?と会う。

銀行はスロー

先ずは街中で用事を済ませる。私は両替をしたかったのだが、銀行はなぜか閉まっていた。ATMだけは使えたので、スマはキャッシュカードで現金を引き出す。お坊さんがATMを使う、ちょっと不思議な気分だ。更に彼はネット会社にも立ち寄る。今やスリランカもそういう時代なのだ。

ようやく開いている銀行を見付けて、両替に挑戦した。100米ドル札を出して、パスポートを出すと担当のにいちゃんは、コピーを取りに2階へ行く。しかしいつまで経って降りて来ない。両替レートがいくらかも提示されず、どうなっているのかも一向に分からない。15分後にようやく席に戻り、作業を開始。書類にサインを求められたが、レートや受け取り金額の表示はない。これにはちょっと驚いて聞いてみると、PCが遅くてレートがなかなか出ないとのこと。

このにいちゃん、人は良いのだが、風邪をひいて熱があるらしく、苦しそうだ。喘ぎながら「手数料は1%」と告げられるが、未だにレートの表示が無く、どうしてよいか分からない。スマも心配して銀行内へ見に来る。ようやくレートが出たが、今度は手取り金額を提示しない。手数料金額だけ言い、またサインを求める。どうなっているの?結局100ドルの両替に35分を要した。お客は勿論私しかいない。

日本でも昔、こんなことがあったと思うが、それにしてもPCやネットが急速に発展しても、まだまだソフト面は追い付いて行かない。街には両替商もあるようだが、信ぴょう性に問題があり、未だに銀行が使われるようだが、いずれはこのサービスでは淘汰されるだろう。

因みに定期預金金利は13-15%、貸出金利は20%前後と高く、まだまだ資金不足のようだ。企業や個人は借入れを好むようだが、そんなに儲かるビジネスがあるのだろうか。




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