デリー・リシュケシュサバイバル (8)デリー インドで一番美味かったのは中華丼

(5)日本食

昼には紹介された日本人Uさんと会う。彼は大学の後輩だが、会うのは初めて。学生時代にインドに留学し、その後もインドと関わっている強者。インドと日本の考え方の違い、日本企業のインドでの活動とその弱点、インド生活の楽しみなどについて、たっぷりと話を聞いた。

「インドでビジネスして成功するのは時間が掛かる」「日本的な考えは捨て、インドのビジネスはインド人に任せるべき」「インドで一から日本的ビジネスを追求するほど、日本企業には余裕はないはず」「インドを起点に中東やアフリカを目指す戦略を取るべし」など、成程と思う話満載。

食事は初め、こぎれいなイタリアンへ行ったが、日曜日ということでビュッフェしかなく、その値段は一人当たり日本円で5000円を超えていたので驚く。確かに豊富な食べ物、ワインなどの飲み物、そして爽やかな中庭など、見るべきものはあったが、一体誰が来るのだろうか。マネージャーと交渉したが、少し安くなっただけ。早々退散。

そして今度は日本食レストランへ。日本人が多く訪れる所ということで行って見たが、確かに普通の和食屋。前日の日本食とはかなり違い、豚生姜焼きやかつ丼があり、インドではない感じ。迷わずかつ丼を所望。ご飯が日本的ではなかったが、十分に食べられる水準。これで日本円1000円程度であれば、良いということか。

デリーには本格的な日本レストランが少なく、日本のシェフがいる店も多くない。いても、コストが高いことから、高級となり日本人駐在員は行けず、インド人金持ちの為にインド風に味を変えているらしい。中華は昨晩分かった通り、インド風になっていて、本格中華は街では見掛けないとのこと。

Uさん曰く「この店で一番美味いのは中華丼です」。成程、やはりとろみが無いとインド人には受けないのだろうか、いやインド人が作る場合、一番作り易いメニューなのだろうか。次男は中華丼を頼み、ウマいウマいといいながら、あっと言う間に平らげ、ホッとした表情をしていた。インド料理はそれほどまでに厳しかったのか。私は敢えてかつ丼を食べてみた。肉は若干固かったが、許せる味だった。この店は日本人御用達の老舗、ということで、店内は日本人駐在員とその家族で埋まっていた。ここに来たことは良かった。

(8)    別れ

Uさんに車で送ってもらい、ホテルへ戻る。今晩次男は帰国する。ホテルの部屋をツインからシングルに変更しようとしたが、料金は同じだと言われ、そのまま部屋に残る。次男も中華丼を食べて復活し、元気になる。これなら夜行便でも大丈夫か。夕方Sさんが車で迎えに来てくれた。S氏のご親戚で最後まで残っていた女性と次男は二人、エアインディアで帰国することになった。彼女と次男も相当に打ち解けていたし、何とか飛行機に乗ることはできるだろう。彼女も実は相当に参っており、体調は心配されたが。

車が行ってしまうと、何故か虚脱感がある。私の旅は通常一人、これが普通なのに何故か寂しい。インド最後の晩なのに、食事をとる気もしない。近所でバナナを買い、それで仕舞にした。一人でぐっすりと寝た。翌朝次男から無事東京に着いたとの連絡があった。しかし何故か東京は大雪。今回は最後までイベント続きだったようだ。

1月14日(月)   (9)    霧の空港へ ネットダメ

翌朝は私がバンコックへ戻る日。ホテルのフロントは親切でタクシーを手配してくれた。当初は550rpと言っていたが、当日になり450rpで手配できたという。後はちゃんと来てくれるかどうかだが、これもほぼ定刻に登場。車は霧の深い中を走る。飛行機、大丈夫だろうか、と心配していると僅か30分で空港に着いてしまった。3時間以上前に空港に、これからどうするんだろうか。霧は晴れずに遅延するフライトが出ていた。心配だ。

チェックインもスムーズで出国手続きも直ぐに終わった。この辺はどんどん進化している。仕方なく、土産物を眺めると、至る所で中国語の表示が出ている。あまり見かけなかった中国人観光客、やはりここにも来ているようだ。そしてどうやら大量にみやげを買っている。

空港内には無料WIFIがあったが、そのパスワードを受け取るには携帯電話が必要だった。インドでは基本的に外国人観光客は簡単にシムカードを取得できない。カードを買っても直ぐに使えない事例が今回も出ていた。そんな中で、この対応はアジアの空港の中でもかなり遅れたサービスと言わざるを得ない。仕方なく今回の旅を思い出しながら旅行記を書き始めた。幸いにもフライトは左程遅れずにデリーを離れた。緊張感のあるインドの旅は今回も無事に終わった。

後日次男にインド旅行の感想を聞くと「寒かった」の一言、余程堪えたのだろう。良い経験だったと周囲は言うが、さて、どうなんだろうか。

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