タイ巡礼、そして茶旅2017(5)メーソットお寺巡り

7月15日(土)
お寺巡り

翌朝はゆっくり起きた。さすがに昨日の夜行バスの疲れが出ていたのだろう。最近夜行をあまり使わなくなって、少し柔になったか。朝食は宿で付いているので、お粥と目玉焼きを食べる。今日は土曜日、特にゆったりしているように感じられた。昨晩の雨も何とか上がっている。

 

10時頃にスス一家が迎えに来てくれた。因みにアイちゃんには若い女の子が子守役としており、どこに行くにも付いてくるので、一家は4人である。今日は車でメーソット見学に連れて行ってくれるというのだ。ただメーソットに観光する場所はそれほどないとのことで、ヤンゴンの時のようにお寺巡りが始まる。私はこれが嫌いではない。いや、むしろ好きなので歓迎だ。まあススとの付き合いは15年近くになるのだから、私のことはかなり分っているはずだ。因みに今回行ったお寺、名前は憶えていない。何しろ文字は全てタイ語、しかも案内人がいるので覚える必要がなく失念。悪しからず。

 

まずは鶏の像が沢山置かれている寺へ。ここはミャンマーの王様が関係して建てられたお寺だという。この付近は昔、タイの王朝に支配されたり、ミャンマーに入ったりと、随分時代に翻弄されたことだろう。そんな中で今のタイ人にもミャンマー人にも崇拝されるお寺、素晴らしい。

 

何故鶏が沢山置かれているのか。幸運を呼ぶかららしい。それにしても圧巻の並びに、願いが込められている(笑い)。参拝者も皆記念撮影している。ロンジーを履いたミャンマー人も多く見られる。ミャンマー人がタイ国境を越えて観光に来る、そういう時代に入っているのだ。

 

次に行ったのは洞窟。この付近も山間であるから、洞窟もあるだろう。何となく昔ススと行った、シャン州ビンダヤの洞窟を思い出す。あそこは相当奥まで仏像が並んでいた。ススは空気が悪いと言って中に入らなかったはずだが、ここは奥には入れず、入り口付近の仏像にお祈りするだけ。アイちゃんも流石ミャンマー人、きちんとお祈りできている。こういうのが、親の教えというのであろう。

 

郊外の舗装されたいい道を走っていると突然『ここから始まります』と言われたが何のことか。マジックヒルと英語でも書かれている不思議な上り坂だという。スタートポイントから数十メートルは、車のエンジンを掛けなくても、自動的に車が登っていくというのだから、確かにマジックである。何か自然科学的原理があるのだろうが、神秘のままでいいか。

 

3つ目のお寺で黄金の仏像を拝む。ここはいかにもお金持ちの寺、という印象で、きれいな室内にきれいな輝く仏像が安置されている。最近タイのお寺のお布施箱は、殆どが金庫式になっているのがおかしい。泥棒が多いのだろう。信心も金には勝てない時代なのだろうか。日本でも賽銭泥棒、いや仏像泥棒は多発しており、そのせいか?寺は固く門を閉ざし、用事の無い人間の来訪を歓迎しない。それって仏教なの、と思う事態だ。

 

お昼は郊外のとても雰囲気の良いレストランへ行く。大自然の中にある、という感じなのだが、庭などは非常に人工的でちょっと日本の庭園管理を入れているのかと思うようなアンバランスな印象。トイレの作りも変わっていて、アイちゃんはお気に入りらしい。ちょっとしたテーマパークのようにも見える。タイ人にはとても人気のあるところだという。確かに従業員の対応などは良い。

 

料理はススが選んでいるが、なかなか美味しいものを選択している。やはりミャンマー料理よりタイ料理の方が美味しいのではないか、などと言えばミャンマー人は怒るに決まっているが、実際に食べているところを見えればそれが分かる。それはインドの料理より中国の料理の方が美味しいよね、と言っているような感じではなかろうか。

 

午後も又お寺に向かった。普通の日本人なら、もう勘弁してほしいという気持ちになるかもしれない。その昔の私もそうだったが、今ではお寺の違いや面白いものを見付けて楽しんでいる。最後の寺はそれにふさわしかった。何と境内に骸骨の人形があるのだ。これにはアイちゃんも興味津々。タイのお寺には可愛らしい人形が置かれていて、面白いのだが、まさか骸骨が登場するとは。

 

でも可愛いものがある一方で、人間は死んだらこうなるんだよ、という不気味な模型が置かれていたりもするので、普通のことなのかもしれない。またここにはきれいな傘が飾られていたり、花がふんだんに飾られた自転車が置かれていたり、その由来は何だろうと思うものが一杯あるのだ。お寺とは本来何のためにあるのかを考えさせてくれる1日だった。

 

ホテルまで送ってもらい、彼らはまたミャンマーへ帰っていった。近いとはいえ毎日出入国、これは大変だ。ホテルで休んでから、夕飯は近所にあった麺屋へ行き一人で食べた。昼ご飯を食べ過ぎているのでこれで十分だった。その先にあるロビンソンデパートをちょっと見て、帰って寝てしまった。結局メーソットの繁華街がどこにあるかもわからないまま、次に向かうことになる。

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