《昔の東南アジアリゾート紀行》‐1995年バンコック

7.1995年4月 バンコック

(1)イースターとソンクラン

イースターは海外旅行する休み、と我が家では決まってしまっていた。次のイースターは何処に行きたいかとの質問に、長男が迷わず『象が居るところ。』と答える。昨年プーケットにて一人で象に乗ったことが余程の自信になっているようだ。その気分を壊さないようにバンコックに行くことにする。

ところが1995年のその年は香港のイースター休みとタイの正月、ソンクランが重なり、飛行機の予約もホテルもかなり厳しい状況であった。前途多難と思っていたところ、バンコックの知り合いから、シャングリラのホライズンルーム(エグゼクティブルーム)が格安で取れる、との超優良情報が入り、お願いした。確か1部屋(結構広い部屋)が2,200バーツで本当に格安。

バンコックの空港に到着。昨年プーケットに行く際トランジットしたが、今回は様子が全く違っていた。兎に角人が多い。イミグレーションは暗く、そして暑い。クーラーが利いていない。並び始めた当初から長期戦を覚悟。子供達はトイレに行く。

香港人は苛立ちを募らせる。何でもスピードが第一である彼らにとってこれは耐え難い。私もせっかちであるが、今回はのんびり屋の奥さんが一緒であり、子供達も私よりはるかに辛抱強い。係官も暑さの中で、能率が落ちる。係官が変わった所はスピードがかなり速くなるのでそれが分かる。

1時間後我々はようやくイミグレを通過した。既に疲労感が溢れていた。ここから渋滞が凄い夕方のバンコック市内に行く気力は無い。しかし車は待っている。皆重い足取りで進む。

(2)ソンクランのバンコック

この頃タイもバブルであった。空港からチャオプラヤ川沿いまでは下手をすると2時間掛かる時代であった。忙しいビジネスマンは川の上流に行き、船で下った方が早いと言われた。

ところが、この日車はあっと言う間にホテルに着いた。何とその間20分。途中で目に付いたのは、ソンクラン、水掛祭りに因んだ水掛であった。道では通る車全てにホースで水を掛けている。人々は相互に水を掛け合っている。初めて見る光景であった。水掛祭りと言えば、中国の雲南省、シーサンバンナが有名。水を掛ける意味の一つは、男が好きな女に水を掛けて意思表明することだと聞いたことがある。タイは違うのだろうか?

ホテルに着くと、エグゼクティブルームと言うことで、直接フロアーに上がり、チェックイン。豪華なイメージで流石シャングリラと思っていると、受付の女性が丁寧に少し水を掛ける。どうやら1つの儀式のようだ。奥さんも掛けられている。

女性は5歳の長男にもコップからほんの少し水を垂らした。ところが長男は突然激怒した。人に水を掛けるとは何だ、と本気で怒っている。水を掛けた女性は本当に困っただろう。何べんも謝っているが、彼は怒り続けている。きっと私の性格が遺伝したのだろう。とても恥かしい思いをしたが、自業自得であると思う。長男のせいで水を掛けた女性がこのフロアー担当を外されない様に祈るのみであった。

(3)日本食

バンコックに来る楽しみの一つは、日本食が安く食べられることである。シャングリラにある日本料理屋はかなり高級だが、昼のランチは格安。翌日は早速ランチに挑戦。

寿司ランチが確か700円ぐらいだったと思う。それで味噌汁もつき、デザートもつく。香港では少なくとも2倍以上はする。大満足。街中では、昼の定食が200-300円で食べられるらしい。バンコックには脱サラした日本人が多く、取り敢えず手っ取り早い日本飯屋を始めること、日本食材をタイの工場で作っており、格安に手に入ることが理由らしい。

上海で台湾人が台湾料理屋を始めるのと原理は同じ。どうしてもそこに住みたければ、何でもするのが人間なのだろう。

(4)デパート

ホテルの近くにロビンソンデパートという名のデパートがあった。ちょっと買い物がしたくて行って見たが、従業員が全くお祭り気分でそこかしこで遊んでいた。女性は顔に何か塗っており、可愛らしい。

しかし幾ら正月とはいえ、こんな締りの無いデパートがあって良いものだろうか?日本人は細かいことに煩過ぎるのかな、と思っていたが、その後アジア経済危機でこのデパートは敢え無く、倒産してしまった。

(5)王宮

バンコック観光の目玉の一つは王宮であろうか?4月は1年中で一番暑い時。午後の一番暑い時に家族で王宮を訪れた我々はかなりの困難に直面した。先ずは子供達が暑さで寝込んだこと。次男はバギーで寝ているので未だ良いが、長男は私が負ぶわなければならない。これは結構バテル。

続いて、入り口で短パンを履いてる私は目敏く見つけられ、ズタ袋のようなズボンを履かされる。勿論敬虔な仏教国では肌を露出することはご法度。しかしこの暑さの中、長ズボンを履いて歩くことにはかなり無理がある。

このズタ袋ズボン、借りるのに身分証明書がいる。パスポートかIDを出せと言う。しかしこんなところで貴重品を渡し、もし無くなった場合どうするのかと頭を悩ませた結果、手元にあったデューティーフリーショップのメンバーカードを出し、『これはVIPカードだ。』と威張ったところ、すんなり入れてもらえた。

(6)サファリパーク

昨年のプーケットで長男が象に乗ったことは我が家の一大事であった。長男は今回もタイに行くなら象に乗る、と言い張る。ホテルで『バンコックで象に乗るにはどうすれば良いか?』と相談すると、郊外のサファリパークが良いとアドバイスされる。

車をチャーターし出掛ける。確か1時間半ほど掛かったのでは?サファリパークはかなり広い敷地にあった。動物は放し飼いで、車で見て回った記憶がある。しかし肝心の象に乗ったかどうかが、どうも思い出せない。子供達はここでも疲れて寝てしまったので、或いは乗っていないのかもしれない。

(7)リゾートの鉄則7

バンコックは家族で行くと楽しい。

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