福建・広東 大茶旅2016(10)体調不良でふらふらマカオ

1013日(木)
深圳経由でマカオへ

翌朝になっても体調は良くならなかった。だが今日は深圳経由でマカオまで行くという大移動日。朝ご飯も食べずに、早々にホテルを出る。北駅に行くのは昨日のBRTが便利だが、ここからどうやってその駅まで行くのか。フロントに聞いたところ、バスで一駅乗るという。私なら歩いて行くが、Tさんはバスに乗る。

 

何とか駅を探し当て、改札を通ると荷物検査のおばさんが手作業で荷物をチェックしている。だが横には立派な検査機械があるではないか。『実は明日から使うのよ』という。ということはこのおばさんは今日で失業?いや、明日からも機械の横に立ち続けるのだろう。中国に機械化、という言葉は似合わない。

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BRTはいつも混んでいる。疲れた体に1時間はたいそう長く感じられた。列車の切符は既に昨日手配済みだったが、その1時間前に着いてしまい、手持無沙汰。Tさんは朝飯を食べると言い、マックへ入る。私は席でボーっとしていた。中国の新しい駅はほぼ例外なくチェーン店しかないので面白くない。

 

列車に乗り込むと、実に空いていた。こんなに空いている高速鉄道に乗るのは初めてかもしれない。寒さを感じるので、席を日の当たる所に移動して、じっと耐えた。太陽の光を浴びると少し元気が出る。窓の外は退屈な田舎の景色が続いている。2時間近く経ち、潮仙という駅を通った。この辺はスワトウだろうか。更に1時間ほど行くと、潮尾。この辺にはかなり古い住居が残っていて、降りてあそこで茶が飲みたい、と思ってしまう光景があった。更に昔ゴルフに行った恵州まで来ると、高層マンションが立ち並び、急速な都市化がここまで来ていると分かる。

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4時間で深圳北駅に着いた。夜行バスで10時間かかると聞いていたので、大分短縮されている。ここから地下鉄に乗り換えて、蛇口まで行く。約1時間半地下鉄に乗り、グレーター深圳の大きさを実感する。車内が寒くて難儀する。Tさんが深圳に来たのは25年も前らしい。今の深圳がどれほど発展しているのかを見せたかったが、ずっと地下に潜っており、その機会はついになかった。この25年、中国で一番発展した街、見たら驚くだろうな。

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蛇口からマカオ行のフェリーは20分後に出航予定となっていた。私は食欲がなかったが、Tさんはカップ麺を食べている。いつものように出国はいとも簡単、そして乗船すると乗客があまりにも少なく拍子抜けした。2年前に乗った時には、団体さんで満員だった船が、今や数えるほどの人数になっている。それは70分後に着いたマカオのターミナルでも同じだった。イミグレは空いていて、すぐに通過した。

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5. マカオ
フラフラで

マカオも宿は高いので、予め安めのところを予約しておいた。そこは私もあまり行かない半島の裏側。まあマカオには何度も来ており、土地勘はあるので大丈夫だとバスに乗り込む。バスはまるで観光案内のように、カジノを通り、セナド広場を抜けて、裏港へ。目指すバス停で無事に降りた。

 

だが、そこから宿が見付からない。宿のある道の名前が出て来ないのである。10分も歩いてしまい、近所の人に聞いたが、教えてもらえない。Tさんがしびれを切らして『そんなきき方じゃ、見付からないでしょう』と言って、おじさんに聞いてくれた。おじさんも親切でスマホを取り出し、位置関係を教えてくれた。我々はバス停からの歩き出しが反対だったのだ。バス停の向こうに噴水があり、その奥に宿はあった。

 

かなり疲れており、頭が働かなかったのだろうか。宿はビルの3階にあり、そこまで登るのもきつい。その宿はきれいであり、部屋もそれなりに清潔。窓から外を見ると、何と向こうの方に中国の珠海が見えた。疲れてはいたが、水を買いたいと思い、写真を撮るTさんと共に部屋を出た。

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この付近は昔のマカオのにおいが濃厚に残っており、好ましい。港へ行くと、そこは倉庫街になっており、昔のたばこ会社の名前なども見える。夕日を浴びる船を見ていると、何とも気持ちが和む。だがその背景に珠海の高層ビル群があるのは、何とも興ざめだ。このあたりから茶葉が輸出されたとは思えないが、マカオは第二次大戦前、香港以上に茶葉の輸出が行われていた場所だと聞いている。

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写真を撮りに行くというTさんと別れ、セブンイレブンに飲み物を買いに行った。香港ドルの500ドル札を出したところ、『お釣りはパタカですが、良いですか』と聞いてくる。そんなにたくさんパタカをもらっても使いようがないので断ると『なら、受け取れません』と言われ、困惑する。何故と聞くと『なぜも何もオーナーが決めたことだから仕方がないよ』というばかり。この意味は何なのだろうか。

 

部屋に帰るつもりだったが、今日全く食事をしていないので万が一食べたくなった時のために、有名なお菓子屋へボーロを買いに行く。ここにはいつも観光客が大量に押し寄せ、マカオに数十店舗もある店だったが、客は誰もいなかった。この大通り、何とあちこちで改修工事が行われており、シャッターが閉まっているところも多かった。一体どうなっているのだろうか。マカオはやはり不景気なのだろう。

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部屋に帰るとすでにフラフラであり、そのままベッドに倒れ込む。そして何と翌朝まで起き上がることはできなかった。折角マカオまで来て、夜景もカジノもなしになってしまう。何のために来たのか、と言っても何もならない。休む時はしっかり休むしかない。

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