福建・広東 大茶旅2016(9)厦門散策

4. 厦門2
厦門散策

1時間後には厦門北駅に着いた。高さんとはここで別れた。だが車は別の方向へ行くというので、我々もここで降りた。取り敢えず梅記の王さんに挨拶に行こうというので、BRTというモノレールに乗り、市内へ向かう。3.5元と安いが、何と1時間もかかる。北駅がどれだけ遠いかを実感した。半年前に北駅からITパークにタクシーで行った時もずいぶん時間が掛かったのを思い出す。しかも車内はめちゃ混みで疲れた。

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梅記の店に行くと、王さんが待ちかねたように出てきて、『まずは昼を食おう』という。とにかく中国というところは食事をしないと何も始まらない。今回は出前を取ってくれた。鴨麺、鴨肉がしっかりと入っている汁なし麺であった。肉をしゃぶるために、ビニールの手袋までついてくる。最近中国の衛生概念も着実に向上しているが、返って食べ難い。

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次は宿だ、ということで、王さんのところが契約しているホテルに車で連れて行ってくれた。そこは店からちょっと離れていたので、なぜだろうと思っていると、横に茶葉市場があったのだ。『実はここにも店がある』という。王さんは用事があると言って帰っていき、我々はその茶葉市場、海峡茶都へ行ってみることにした。

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雨は降っていなかったが、厦門も天気は良くない。市場もその影響か、人が殆どいない。大き目の茶道具屋に入り、話を聞く。武夷山近くの茶器を扱っており、出てきたお茶も岩茶だった。ずっと鉄観音ばかりだったので、岩茶はホッとする。それから紅茶屋などの店を回り、最近の傾向など情報収集を計ったが、お客がいなくて困っている店もあり、『茶葉を買え』と言われて逃げ出す場面もあった。

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もういいかと思い、Tさんを残して、市場を離れた。目の前にバス停があったので来たバスに乗ってみた。輪渡と呼ばれる埠頭の方へ行こうと考えていたが、途中でかなり古い建物を見つけて降りてしまった。大同路、という名前のその道は、確かに古い街だった。路地の市場には独特の雰囲気があり、地元の人が買い物をしていた。ここは決して観光用ではない。100年ぐらい前の建物もいくつかある。住居は50年ぐらい経っているのだろうか。

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そういえばTさんが『地元の人が路上で茶を飲んでいるところはないか』と聞いたのに対して王さんの答えが『いるとすれば大同路だろう』と言っていたのが、急に思い出された。期せずして、ここへ来てしまった訳だ。しかし実際には数人が茶を飲んでいるのが見られただけだった。既に路上文化は厦門にはなくなっていると言ってよい。残念だ。

 

 

2013年、13年ぶりに厦門に来た時、この付近に泊まった。その理由は1987年、初めて厦門に来た時に泊まった華僑大廈を探したからだ。今や立派なホテルに生まれ変わっているが、往時はこの辺が街の中心部だったことを窺わせる。周囲には清末の建物などが残っていた。

 

また観光客用の道に出た。脇道がちょっと古びていたので入ってみると、何と土産物屋が並んでいる。しかも置かれている商品を見てびっくり。どこも鉄観音茶が売られていた。しかもその値段が、おしなべて160元。例の緑緑した色鮮やかな奴が並んでいる。確かに観光客の目を惹くにはよいのだが。

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これが先日安渓の茶都で見た、卸価格120元の売り先の1つであることは間違いがない。車で1時間運ぶだけで3倍の値段が付く。それでもどう考えても安いと思えてしまう。新茶でなければ、更に値は半分になっている。岩茶だろうが紅茶だろうが、ある意味激安価格で売っている。こういうお茶にも一定のニーズがある、と言ってよいのだろうか。

 

帰りはふらふら歩いて行く。中山公園などの名所もあるが、あまり興味はなく、裏道へ入っていくと、懐かしい雰囲気の市場。そして庶民が食事をするような場で、また日があるうちからビールを飲み、騒がしい一団がいたりする。トイレがやけに立派なのが経済成長を感じさせる。

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40分ぐらい歩いてちょうどバスに乗った海峡茶都に戻る。このあたり、地下鉄工事が進んでおり、道路の真ん中が掘り返されていた。厦門にも地下鉄が通る。不動産も上がっているようだ。王さんから電話があった。茶都にいるから来たら、と。実は彼の店がここにあると聞いてさっき探したのだが、見付からなかったのだ。

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何と店名が違っていた。いやそれだけでなく、扱っている茶が違っていた。プーアル茶専門店だったのだ。鉄観音茶だけでは老舗の再生は難しかったらしい。2000年代前半、プーアル茶ブームに目を付け、これで儲けたという。その茶葉は香港あたりのネットワークから出てきたというから、如何にも福建らしい。店にはかなり古い茶餅が並んでいた。プーアルの老茶を飲んでいると、ちょっといい気分になる。

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Tさんは携帯電話を持っていなかったので連絡が付かなかった。夕飯の時間になり、一度ホテルに戻った。王さんがホテルのレストランで食べようというので、Tさんを探して、向かう。海鮮料理屋だった。オーナーは釣りが好きで、自分で魚を釣って来るらしい。店は広かったから、勿論オーナーに釣り好きは単なる宣伝だろうが。

 

ここで辛い海鮮鍋を食べてしまった。実に美味しく感じられ、どんどん口に入れてしまう。刺激、というのは誘惑だ。だがこれまで数日、体に優しいものだけを食べてきた胃腸にとって、これは致命的だった。部屋に帰ると体調が非常に悪くなる。辛い。

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